七ふくたいむず2026 3月
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26.03.30
当院では毎月、七ふくたいむずに加え、生活習慣病の患者さんを中心に、
「健やか生活ゆるっとガイド」を配布しています。
特に生活習慣病に特化した内容で毎月作成しており、食事などの自己管理や運動に関するアドバイスなども掲載しています。
今月はそちらの内容をまとめていきたいと思います。
筋肉は最大の血糖処理工場
~血糖コントロールのカギは「筋肉」にあり~
糖尿病や血糖値の異常と聞くと、「食事」や「薬」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、実は血糖コントロールにおいて非常に重要な役割を担っているのが「筋肉」です。
当院では、糖尿病やその予備群の方に対して運動療法を積極的におすすめしています。
その理由は、筋肉が体の中で"最大の血糖処理工場"として働いているからです。
・血糖値はどのように上がるのか?
食事で摂取した炭水化物(糖質)は、消化されて最終的にブドウ糖になります。
このブドウ糖が腸から吸収されて血液中に入ることで、血糖値が上昇します。
血液中のブドウ糖は、エネルギー源として使われるために体の各組織へ運ばれますが、特に多く取り込むのが「筋肉」と「肝臓」です。
その中でも、筋肉は体の中で最も大きな組織であり、最大の受け皿となります。
つまり、筋肉がしっかり働いていれば、血液中の糖を効率よく取り込み、血糖値の上昇を抑えることができるのです。
・筋肉量が多いほど血糖値は安定する
筋肉は、いわば"糖の貯蔵庫"です。
筋肉量が多い人ほど、血液中の糖を取り込める容量が大きくなります。
逆に、筋肉量が少ない場合は、糖を取り込む力が弱くなり、血糖値が上がりやすくなります。
特に加齢や運動不足により筋肉量が低下すると、血糖コントロールが難しくなる傾向があります。
また、筋肉は動かすことで糖の取り込みが促進されるという特徴もあります。
運動をすると、インスリンが少なくても糖を筋肉に取り込むことができるため、血糖値の改善に大きく寄与します。
・血糖値が下がりにくくなる原因
血糖値がうまく下がらなくなる主な原因は、「インスリンの働きの異常」です。
インスリンは、血液中の糖を細胞に取り込ませるホルモンで、特に筋肉への取り込みに重要な役割を果たします。
このインスリンに問題が起こると、血糖値が高い状態が続きます。
主な原因は次の2つです。
① インスリン分泌不足
膵臓の機能が低下し、インスリンが十分に分泌されなくなる状態です。長期間の負担や加齢などが影響します。
② インスリン抵抗性
インスリンは分泌されているものの、筋肉や脂肪細胞がうまく反応しない状態です。
肥満や内臓脂肪の増加、運動不足などが関与します。
これらの状態では、せっかくの糖が筋肉に取り込まれず、血液中に残ってしまいます。
・筋肉量が減るとどうなるか?
筋肉量の低下は、血糖コントロールの悪化に直結します。
筋肉が減る原因としては以下のようなものがあります。
- 運動不足
- 加齢による筋力低下(サルコペニア)
- 過栄養・肥満
- 内臓脂肪の蓄積
- 遺伝的要因
- 生活習慣の乱れ
特に内臓脂肪の増加は、インスリン抵抗性を悪化させるため、血糖値をさらに上げやすくします。
・血糖コントロール改善のポイント
では、どのようにすれば血糖値を安定させることができるのでしょうか?
重要なのは「筋肉を増やし、しっかり使うこと」です。
■ 有酸素運動
ウォーキングや自転車などは、血糖をエネルギーとして消費するため、血糖値を直接下げる効果があります。
■ 筋力トレーニング
筋肉量を増やすことで、血糖を取り込む力そのものを高めます。週2~3回の軽い筋トレでも十分効果があります。
■ 日常生活の工夫
エレベーターではなく階段を使う、長時間座りっぱなしを避けるなど、小さな積み重ねが大切です。
・当院での取り組み
当院では、薬物療法だけでなく、「運動療法」と「栄養指導」を重視した治療を行っています。
医療的な視点に基づいた安全な運動プログラムや、個々の生活に合わせたアドバイスを行い、無理なく継続できる形でサポートしています。
心臓リハビリテーションやメディカルフィットネスも取り入れ、生活習慣病の改善だけでなく、健康寿命の延伸を目指しています。
・まとめ
血糖コントロールのカギは「筋肉」です。
筋肉は単なる体を動かすための組織ではなく、血糖値を安定させる重要な臓器でもあります。
「運動は苦手だから...」と感じている方も、まずは日常生活の中で体を動かすことから始めてみてください。
小さな一歩が、将来の大きな健康につながります。
気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。



