七ふくたいむず2026 7月
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26.07.31
夏を元気に乗り切ることが、秋・冬の元気につながります
~夏バテによる「筋肉の減少(サルコペニア)」を防ぎましょう~
毎日暑い日が続いていますが、皆さん体調はいかがでしょうか。
「暑いから食欲がない」
「外に出るのが億劫」
「エアコンの効いた部屋で一日過ごすことが増えた」
このような生活は、夏にはよくあることです。
しかし実は、この何気ない変化が秋以降の体力低下につながります。
当院でも毎年、夏を過ぎた頃から
「歩くのがしんどくなった」
「疲れやすくなった」
「転びやすくなった」
という患者さんが増えてきます。
その背景には、夏の食事量の低下と活動量の低下による筋肉量の減少(サルコペニア)があります。
夏は筋肉が減りやすい季節
筋肉は年齢とともに少しずつ減っていきます。
しかし夏は、そのスピードが一気に加速しやすい季節です。
理由は大きく2つあります。
① 食欲が落ちて栄養不足になる
暑い日は、そうめんや冷やしうどんなど、のどごしの良いものだけで済ませてしまう方が少なくありません。
もちろん炭水化物は大切なエネルギー源ですが、それだけでは筋肉は作られません。
筋肉を維持するためには、たんぱく質が欠かせません。
「麺だけ」ではなく、
- 温泉卵やゆで卵
- 冷奴
- サラダチキン
- サバ缶・ツナ缶
- 納豆
- 豚肉
- うなぎ
などを一品追加するだけでも十分効果があります。
特に豚肉やうなぎにはビタミンB1が豊富で、糖質を効率よくエネルギーに変える働きがあります。
疲労回復にも役立つため、夏バテ対策にはおすすめです。
さらに、ビタミンB1は単独よりもビタミンB6と一緒に摂ることで、たんぱく質の代謝を助け、筋肉づくりにも役立ちます。
マグロやカツオ、鮭、バナナ、じゃがいもなども積極的に取り入れてみましょう。
② 暑さで動かなくなる
もう一つの原因は活動量の低下です。
最近では夏の猛暑により、昼間の屋外活動は熱中症の危険があります。
「危ないから家でじっとしている。」
これは熱中症予防としては正しい判断ですが、一方で筋肉は使わないとすぐに衰えてしまいます。
筋肉は年齢を重ねるほど減りやすく、一度減ると元に戻すには時間がかかります。
そのため、「動かない日」が何日も続くことは避けたいところです。
運動は「頑張る」より「続ける」
夏は無理に屋外を歩く必要はありません。
おすすめは、エアコンの効いた室内でできる運動です。
例えば、
- 椅子からゆっくり立ち座りするスクワット(10回×2セット)
- 歯磨き中のかかとの上げ下げ20回
- テレビを見ながら足踏み
- ショッピングモールなど涼しい施設を歩く
こうした「ちょこっと運動」を毎日積み重ねることが、筋肉を守る一番の方法です。
「運動は30分しなければ意味がない」と思われがちですが、そのようなことはありません。
5~10分を何回か行うだけでも十分効果があります。
夏の過ごし方が、秋の体力を決めます
高齢者では、一度筋肉が減ると
- 疲れやすい
- 外出しなくなる
- 食欲がさらに落ちる
- さらに筋肉が減る
という悪循環に陥ることがあります。
そして秋になる頃には、「急に体力が落ちた」と感じるようになります。
だからこそ、夏の今が予防のチャンスです。
「暑いから仕方ない」とあきらめるのではなく、
- 毎食たんぱく質を意識する
- ビタミンB1・B6を上手に取り入れる
- 室内でも毎日体を動かす
- 水分は適切に補給する
- 十分な睡眠をとる
これらを心掛けることで、秋以降の体力低下を大きく防ぐことができます。
最後に
サルコペニアは、ある日突然起こる病気ではありません。
毎日の「少し食べない」「少し動かない」が積み重なり、数か月後に歩行能力や筋力の低下として現れます。
特に夏は、食欲低下と活動量低下が重なりやすいため、一年の中でも筋肉が減りやすい季節です。
「夏を元気に過ごすこと」が、「秋も冬も元気に歩ける体」をつくります。
今年の夏は、「食事を麺だけにしない」「毎日少しでも体を動かす」を合言葉に、暑さに負けない体づくりを始めてみましょう。




